ElicitとConsensusは、どちらも学術論文を探して、調べた結果をまとめるためのサービスです。用途が近いので迷いやすいのですが、得意にしている進め方は同じではありません。
ざっくり言うと、Elicitは論文を探した後の「選別」や「情報の抜き出し」まで含めた作業の場、Consensusは問いを投げると関連論文を探して引用付きのレビューにまとめてくれる場、という違いがあります。この記事では、その差がどこに出るのかを、検索・レビュー作成・根拠の確認・料金の順に見ていきます。
論文を見つけた後に何をしたいかで選ぶと、違いがはっきりします。
Elicit
こんな人に
論文の選別や情報抽出まで含めて、文献レビューの工程を自分で進めたい
Consensus
こんな人に
一つの問いを複数の検索に分け、引用付きのレビューとして受け取りたい
ここで言う「文献レビュー」とは、あるテーマについて先行研究を集めて整理した文章のことです。そのうち、条件を決めて対象論文を絞り込みながら網羅的に整理するやり方を「体系的な文献レビュー」と呼びます。
どちらも学術調査に使えますが、検索した後の流れと、根拠のたどり方が違います。
| 比較項目 | Elicit | Consensus |
|---|---|---|
| 検索の入口 | 自然な言葉から学術論文を検索 | 査読研究を検索し、論文一覧やAIによる回答へ進む |
| 調査の進め方 | 検索、論文の選別、情報抽出を経てレビューを作る | 質問を小さな問いに分け、複数検索から論文を選ぶ |
| 根拠の確認 | レポート内の主張から、論文中の引用箇所を確認 | 本文中の引用をたどり、引用付きコピーやPDFで出力 |
| 主な成果物 | 引用付きの長い文献レビュー | 構造化された文献レビュー |
同じ「論文をまとめる」でも、Elicitが扱っているのはレビューを作る工程そのものです。対してConsensusは、質問に答えるために検索を組み立て、読みやすい形へ整理する流れになっています。どちらが正確か・網羅的かと一律に順位をつけるより、自分に必要な工程と、最後に手元へ残したい成果物で選ぶほうが向いています。
Elicitは、自然な文章のまま学術論文や学会発表論文を探せます。検索の対象には、学術論文に加えて臨床試験も案内されています。検索で終わりにせず、その後の論文選別や情報抽出まで続けたいときに、流れをつなげやすい構成です。
Consensusが検索するのは査読研究です。査読とは、他の研究者による内容の確認を経て公開された論文のことを指します。Paper SearchはAIの要約を付けずに論文一覧を返してくれるので、まず候補となる論文そのものを見たい場面で使えます。検索範囲としては、通常のコーパス(検索対象となる論文の集まり)に加えて、医療分野向けの検索モードなども用意されています。
たとえば、研究テーマに合う論文を集め、採用する論文を選び、必要な情報を抜き出すところまで一続きで進めたいならElicitが合います。一方、ある問いについて関連研究を探し、複数の検索結果からレビューを組み立てたいならConsensusのほうが分かりやすい選択になります。
ElicitのReportsは、検索、論文の選別、情報抽出という段階を経て、学術的な根拠を文献レビューへまとめる機能です。体系的な文献レビューにも対応していて、調査対象を絞り込みながら必要な情報を整理していけます。回答を読むだけでなく、どの論文を採用するか、そこから何を取り出すかという作業まで自分で進めたい場合に向いています。
ConsensusのDeep Reviewは、質問を複数の小さな問いに分け、それぞれについて検索を行います。そのうえで関連論文を選び、序論・方法・結果・考察を含む形のレビューを作ります。質問を投げるところからレビューの形になるまでを、まとめて受け取りたい場合に使いやすい流れです。
Elicitは「レビュー作業を進める場所」、Consensusは「問いから構造化されたレビューを得る場所」。この違いを覚えておくと、迷いにくくなります。
Elicitでは、レポート内のそれぞれの主張から、根拠になった論文中の具体的な引用箇所を確認できます。要約を読んで終わりにせず、この主張はどこに基づいているのかを本文まで戻って確かめたいときに役立ちます。
ConsensusのDeep Reviewには本文中に引用が入り、引用を含めたコピーやPDF出力ができます。レビューを読んだ後に参照先をたどることも、引用情報を保ったまま手元で整理することもできます。
どちらを選ぶにしても、生成された文章だけで判断せず、重要な結論は元の論文まで確認する使い方が前提です。たどり方が、Elicitは主張から引用箇所へ戻る流れ、Consensusは引用付きレビューを読んで参照先へ進む流れ、という点だけ違います。
どちらにも無料の入口があります。有料プランの最初の価格と契約単位は異なります。
| 項目 | Elicit | Consensus |
|---|---|---|
| 課金単位 | 無料入口と有料プラン | 無料入口と有料プラン |
| 無料の入口 | $0 | $0 |
| 最安有料 | $11/人/月相当($132年払い) | $20/月または$144/年 |
注意
2026年7月22日に確認したGLOBAL向けの参考価格です。税、割引、地域差は含みません。料金、利用上限、提供地域、契約条件は変わるため、公開直前に公式ページで確認してください。
価格以上に差が出やすいのが、利用上限の数え方です。
ElicitはBasic、Plus、Pro、Scaleと段階が上がるにつれて利用枠が増えます。BasicではResearch Agentなどの利用が限定され、Plusが標準、Proはその5倍、Scaleは9倍の枠です。Proでは、体系的な文献レビューで5,000本の論文を選別できます。
ConsensusはDeep Reviewを月に何回使えるかがプランごとに決まっています。Freeは月3回、Proは月15回、Deepは月200回です。Teamsは1人あたり月50回で、価格は人数によって変わります。
このように上限の数え方そのものが違うので、表示価格だけを見比べても判断できません。まず無料プランで検索と出力の流れを試し、自分に必要な機能と回数が見えてから有料プランを選ぶと、判断しやすくなります。
Elicitは、論文検索から選別、情報抽出、文献レビューまでを一つの調査工程として進めたい人に適しています。体系的なレビューを作る過程を自分で管理し、各主張の引用箇所まで確認したい場合に選びやすいサービスです。
Consensusは、研究上の問いを起点に関連論文を探し、構造化されたレビューを得たい人に適しています。AI要約なしの論文一覧から始める方法と、Deep Reviewで引用付きのレビューを作る方法を、目的に応じて使い分けられます。
迷ったら、「選別と抽出を含む調査工程」が必要ならElicit、「問いからレビューをまとめる流れ」が必要ならConsensus、と考えてみてください。
Q.ElicitとConsensusは無料で試せる?
A.どちらにも$0のプランがあります。ただし使える機能や回数には制限があるので、自分が使いたいレビュー機能がその範囲に入っているか確認してください。
Q.体系的な文献レビューにはどちらが合う?
A.論文の選別や情報抽出まで含む工程を進めたいなら、Elicitが候補です。Consensusは、質問を複数の検索へ分けて引用付きの構造化レビューを作りたい場合の候補になります。
Q.生成された内容の根拠は確認できる?
A.Elicitではレポートの主張から論文中の引用箇所を確認できます。ConsensusのDeep Reviewには本文中に引用が入り、引用付きのコピーやPDF出力にも対応しています。
Q.レビュー機能は月に何回まで使える?
A.ConsensusのDeep Reviewは、Freeが月3回、Proが月15回、Deepが月200回、Teamsは1人あたり月50回です。Elicitは回数ではなくプランごとの利用枠で、Basicは限定的、Plusが標準、Proが5倍、Scaleが9倍となっています。
Q.AI要約なしで論文一覧だけ見ることはできる?
A.ConsensusのPaper Searchは、AI要約を付けずに論文一覧を返します。まず候補論文そのものを見たいときに使えます。
確認日: 2026-07-22(記載の各公式ページで確認。価格などは変わることがあります)
Elicit
Consensus